2013年8月の山行報告

後立山縦走

8月例会山行    Bランク
爺ガ岳〜鹿島槍ガ岳〜五竜岳〜唐松岳

 【日 時】 2013年8月24日(土)〜27日(火)
                     
   8月24日(土)                【天候】 曇り一時雨

   徳島(平田邸)4:00――扇沢登山口P11:20/11:45----種池山荘15:25
   
     まだ暗いうちに平田邸に集合し4時に出発。今日は天気がよくなさそう。米原が
  過ぎた頃大雨になったが、そこを過ぎると曇りに。途中何度か休憩し、安曇野ICで
  高速を降り一般道へ。扇沢の登山口に着いた頃には雨も上がり、車から降りると少
  し肌寒かった。柏原新道登山口の駐車場に1台置けるスペースがあり、ここに置く。
  身支度を整え樹林帯の中をジグザグに急な道を登っていく。しばらく行くと左前方
  が開け、扇沢バスターミナルや雪渓の上には針ノ木岳が見渡せた。雪の残ったガレ
  場を渡り、最後の急坂をひと頑張りすると種池山荘に着いた。 

   8月25日 (日)                【天候】曇り一時雨後晴れ
  
  種池山荘6:00----爺ガ岳6:45/7:00‥‥冷池山荘8:10/8:25‥‥布引山9:45/9:50
   ----鹿島槍南峰10:40/11:10‥‥鹿島槍北峰11:50/11:55‥‥八峰キレット13:15
   ‥‥キレット小屋13:40

   曇り空の中6時に出発。小屋のお花畑にはコバイケイソウが少し残っていた。爺ケ岳に
  着く頃には雨が降り出しカッパをつけた。手がかじかんで冷たい。頂上から緩やか
   に下っていくと、右側に赤岩尾根に下る標識がある。ここから少し樹林帯の中を行
  くと冷池山荘に着く。この頃には雨も上がりカッパを脱ぐ。冷池キャンプ場を抜け
  お花畑を過ぎると布引山に着く。頂上を踏んでジグザグの登りを繰り返し鹿島槍南
   峰に着いた。ここで昼食を摂りしばらく休む。南峰から北峰の下りは岩場になり気
  をつけて下る。吊り尾根のコルの右側には雪が多く残っていた。三人が北峰に登り、
   私とNさんはコルで一休みする。ここからこのコースの本格的な岩場が始まり、鎖
  などが出てくる。何度かアップダウンを繰り返しいよいよ八峰木レットに来た。本
  によく出てくる場所だ。さすがに両側は切れ落ちているがそんなに怖いところでは
  ない。ここを慎重に通過しキレット小屋に着いた。 

  8月26日(月)                             【天候】 晴れ

  キレット小屋 5:40 ---- 口の沢のコル7:10‥‥北尾根の頭7:50----五竜岳頂上10:35/
  10/55----五竜山荘11:50/12:20----最低コル13:15----ケルン13:30----唐松山荘15:35

   予定より早目に出発する。すこぶる良い天気だ。小屋の真正面に立山、剣岳が赤く
  染まり、まさにモルゲンロードだ。今日のコースが今回の一番の難所だ。気合を入れた行
  こう! 小屋を出るとすぐにアップダウンが始まる。尾根に出ると、右後方に富士山、
  八ケ岳、右前方に火打・妙高、そして鹿島槍の後ろに槍ヶ岳と全ての山が見渡せた。
  目の前にはこれから行く五竜岳が堂々と聳えている。鎖やはしごを通過し1時間半で
  ケルンのある広場口の沢コルに着く。何度目か休憩をして又進む。ここから約40分で
  北尾根の頭だ。ここから一段と厳しくなり、やがてG5の頭の岩峰を通過し、G4の頭
  の横を巻き、いよいよ五竜岳の登りにさしかかる。下から見上げると「こんな所を行
   くの!」と思うくらい真直ぐにそそり立っている感じがする。見上げると山のてっぺ
  んに近くに人が小さく見える。腹をくくって登りにかかる。とても急なせいか時間の
  割には高度がうんと稼げる。ヘトヘトになりながら少し横巻きになった所で休憩。こ
  こから少し行って五竜山荘へ降りる所にザックを置き、頂上へ行く。頂上には360度の
  大展望が待ち受けていた。しばし景色を楽しんで、山荘を目指して降りた。ここから
  の下りにも鎖がありなかなか手ごわい。G2の頭の横を通過するとやっと少し歩きやす
  くなってきた。五竜岳で昼食のうどんを食べる。山荘で唐松岳から来た人が滑落事故
   があったと話してくれた。食後唐松岳目指して出発。登り始めてすぐに遠見尾根に下
  るルートの分岐白岳にかかる。ここを巻いてしばらくは歩きやすい登山道を進む。や
   がて最低鞍部まで下ると、また登りが始まる。大黒岳があるはずだがわからないまま
  通り過ぎた。樹林帯を過ぎ岩場に取り付いた時、一人の男性があっという間に我々を
  抜き去った。聞くと救助隊の人らしい。さすがプロだと思った。ここから少し行くと
  思ってもみなかった雷鳥のつがいに会えた。ラッキー!雷鳥に元気をもらい、気力を
  振り絞って鎖場を登って行くと、滑落現場に来た。先の救助隊の人が80m程下の場所で
  無線で室堂とやり取りしていた。いよいよ足が重くなってきた。見上げると牛首の岩
  場がまだ続いている。やっとのことで牛首を通過。ようやくガスの中に唐松山荘が見
  えてほっとした。
 
  8月27日(火)                【天候】晴れ

  唐松山荘6:15‥‥唐松岳 6:35/6:40‥‥唐松山荘6:55/7:05----丸山ケルン7:45 
  ‥‥八方池 9:00 ‥‥八方池山荘 10:15 ――うさぎ平──ロープ乗場10:55/11:10
 
   ザックを置いて唐松岳へ向かう。朝の光を浴びてブロッケンが現れた。思わず手を
  振ってみる。目の前には不帰のキレットが見える。山荘に戻り帰りの準備をする。いよ
  いよ今日で長かった後立山ともお別れだ。八方尾根を下る。しばらく行くと丸山ケルン
  に着く。左側に白馬山系、右に五竜の勇姿。この景色を脳裏に焼き付ける。ケルンを過
  ぎると扇雪渓がありスキーができそうだ。ここを過ぎると見事なお花畑が広がっていた。
  こんなに花が咲いているとは思ってもみなかった。神様ありがとう!晩夏から初秋にか
  けての花がいっぱい。とりわけ私の好きなワレモコウの花がいっぱい咲いている。こんなに沢
  山のワレモコウを見たのは初めてだ。ルンルン気分で八方池まで降りてきた。ここは観光客が
  大勢で山気分はどこかへ行ってしまう。池を廻って山荘まで下り、リフト、ゴンドラを
  乗り継ぎ長かった後立山の縦走を終えた。
   今回は天気に恵まれたので縦走できたが、天気が悪ければ私の力では縦走などできる
  山域ではない。歩くのが精一杯でろくな記録もできなかった。雷鳥に出会えたこと、花 
  がいっぱい咲いていたこと、富士山まで見えたこと。本当に恵まれた山旅でした。