2008年7月の山行報告

立 山剱御前小舎剣 岳


7月例会山行 Bランク  08B11
剣 岳

室堂〜雷鳥沢〜剣山荘〜剣岳〜剣御前小舎〜雷鳥沢〜室堂

【日 時】2008年7月25日(金)〜28日(月)
     天候: 26日(曇り)、27日(晴後雨/雷)、28日(雨/雷後曇り)
【参加者】16名
【コースタイム】
  25日☆会事務所19:25…淡路SA21:20/21:33…多賀SA23:35/23:45…
      米原JC(北陸道)24:00…(日付変更、26日)…立山IC2:50…
      立山駅3:45/5;45…桂台(立山公園入口)6:00…室堂7:00
  26日☆室堂8:10…雷鳥沢野営場8:55/9:10…別山乗越10:30/10:40…
     剱御前小舎10:55/11:30…剱沢小屋12:07/12:20…剣山荘12:55
  27日☆剱山荘5:55…一服剱6:20/6:25…前剱7:20…平蔵のコル7:45…
      カニのタテバイ8:25…剱頂上9:05/9:30…カニのヨコバイ9:55…
      前剱11:05…一服剱11:55…剱山荘12:15/13:30…剱沢小屋14:05
      …剱御前小舎15:00
  28日☆剱御前小舎7:05…(雷鳥坂)…雷鳥沢野営場8:45/9:00…雷鳥荘9:25
      …室堂9:55/10:30…立山駅11:35/13:04…立山IC13:45−多賀
      SA16:50/17:10…淡路SA19:40/20:20…会事務所22:00
【記録感想】  年次最大のイベント夏山のスタートである。25日夜19時30分、Al.A2.Bの各パーティ 計38名、大型バス貸切りで出発。翌26日朝7:00登山口室堂に到着、途中立山駅にて時間 調整2時間(立山公園開門6時の為)、この間に朝食を済ます。  室堂8:10出発(他パーティもそれぞれに)、天候は曇り、室堂平の遊歩道をしばら く進むと眼下に雷鳥沢野営場が開けてくる。色とりどりに咲いたテントが鮮やか、硫黄 の臭いを鼻にしながら野営場へ下る。野営場北の浄土川の橋を渡り、大日岳と剱岳の分 岐点を標識に従う、いきなりの急坂、しかも雪渓、雷鳥坂である。雪渓にストックを突 き立てながら足跡を辿って登る。体が順応するまでが豪い、周辺に誇る花々,雷鳥やユ ウモラスなおこじょに元気付けられる。別山乗越を経て、10:55剱御前小舎に到着。 ガスって展望利かず、眼前に見えるはずの剱岳の姿はない。昼食。  剱御前小舎11:30出発。小舎前の左手剱岳への順路は大雪渓の横断になる為、危 険を避けて剱沢の雪渓を剱沢小屋めざして下る。雪渓の下りは叉一苦労である、踵を雪 渓に打ち込み打ち込み一歩一歩進む。右手には別山が雄大に響え、その裾に展開する雪 渓、日本三大雪渓と言われるだけに長い長い。剱沢小屋9:05到着。小休止後、剱岳矢印 に沿って、雪渓を横切り這松の茂みをしばらく行くと、ガスの彼方に薄やっと建物が、 剣山荘である。ガスが益々濃くなりポツリと雨が、雨脚と競争、幸いに雨を被ることな く剣山荘12:55到着。宿泊。
 27日剣山荘5:55出発。天候は晴れ。だが予報は雨60%、天候の状況を図りながら行け る所まで行くと言うリーダーの判断である。ザックを山荘に預け、サブザックに必需品 を詰め、軽装で出発。先ずは助走の一服剱、6:20着。眼前には天を突く巨大な岩稜の岩 山が鎮座、前剱である。素人は近寄るなと凄まじい形相である。ごろごろ道、落石に細 心の注意を払って武蔵のコルヘ下る。ここから前剱へ本格的な岩登り、ペンキ印に従っ てつづら折の岩場を黙々と半時ほど進むと、垂直の長い鎖場に、石鎚の鎖訓練の成果か全 員無難にクリア、最早ピークは目前、前剱頂上7:20着。
 前剱まで行ければ御の字と心配した天気は崩れる様子なし、神に感謝し剱岳に向かう。 それにしても眼前に聾える剱の容姿、岩の殿堂とはよく言ったものである。  前剱を下り平蔵のコルへ。ペンキ印に従って岩場を進む、鎖場も多い。やがて平蔵の コルに到着7:45。ここから剱岳の登り、短い雪渓を横切ると、最大の難所、カニニノタ テバイである。垂直に17m。幸い順番待ちは15分程、前の人との間合いを計りながら慎重 に、楔間の鎖には原則一人を保つ。登り切ってしばらく行くと、カニニノヨコバイへの分 岐で上り下りする人で混雑する。少しの間、譲り合って安全第一を心掛ける。ここを抜け ると比較的頂上までは平坦、剱岳頂上9:05着。
 頂上は360度の展望、実に幸運と称すべき、東に後立山連峰がくっきりと、朝日岳や白 馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳の雄大な稜線が眺められる。北には真っ青な日本海が天上に 届かんばかりに、能登半島までも見渡せる。眼下のU字渓谷には雪渓が点在、まるでシャ チが跳ねているよう。なんと言っても、横に連なる八ツ峰の急峻な岩峰群が圧巻である。 剱が北の俊英と称される所以が知れる。  剱岳9:30下山。コースは来た道、下山は落石に一層の気を使う。9:55下山最大の難 所カニニノヨコバイに到着。手足をカニの様に送って進むのである。肝心なのは第一歩 の踏み出し、岩にしがみ付いていては足場が見えない、岩から体を離して足場を確認す る必要がある。この一瞬だけは鎖が命綱である。ここからは上り下りの道が別々、浮石 だらけのザレ道、神経を尖らせてひたすら下る。剣山荘12:15無事到着。昼食。  剣山荘13:30出発。立山、内蔵助山荘を目指すが、折りしも天候急変、大雨と雷に見 舞われる。ここに来て天気予報を実践するか。リーダーがコースを協議、来たコースを 戻ることが無難と結論、剱沢に出て、沢を上るコースである。  雨の中雷鳴に怯えながら、剱沢の雪渓を足取り重く一歩一歩、剱沢小屋2:05到着。 休息なく先を急ぐ。やがて別山方面と剱御前方面の分岐に至り、どのコースを取るか議 論。別山経由は尾根伝いで急坂だが、時間短縮が出来るとの意見、しかし落雷の危険が あり、結論は沢を上る剱御前経由となる。勉御前小舎3:00到着。  剱御前小舎3:15出発。雨も小降りのところで内蔵助山荘めざし別山尾根筋へ、ものの 5分も進んだであろうか、いきなり霰混じりの雨と強烈な突風に見舞われ、立っているこ とも出来ず、全員剱御前小舎に逃げ込む。まるでゲリラの襲撃である。山行続行不可と判 断、小舎に無理を言って宿泊。28日早朝、富山地方に大雨洪水雷警報が出されるに至り、 立山山行は断念し早々に雷鳥坂を下山した。(紙面の関係で後は省略)。  立山中止は残念であったが、剱岳は好天に恵まれ素晴らしい感動の山行であった。ア ルプスの絶景と裏腹に自然の凶暴な一面も体験、意義ある2008夏山でありました。